【完】あたしが君を守るから
「なんで歩は、ドレスとか、メイクアップしてないわけ?」
あたしは、こういう時のためのパンツスーツ。
たくさんの方々が煌びやかな装いをしてくるであろうから、邪魔しないように地味な黒で。
「だって、あたしは椎の護衛だから...」
眉間に皺を寄せている椎に、どんな言葉を返せばいいのか解らない。
いつもの癖で、頬を掻く。
すると、無言であたしから離れて呼び鈴を鳴らす。
どうしたんだろ...。
不思議がっているうちに、家政婦さんが2人やって来た。
「どうされました?」
40代ぐらいの家政婦さんが、椎に尋ねた。
ぐいっと、2人の前に押し出される。