【完】あたしが君を守るから
「椎はこんな俺でも、一緒にいてくれたことが嬉しかった。でも、中等部3年のときに考え方は変わった」
悔しそうな色を見せる無表情。
ゴクッ、と唾を飲む。
「教室へ入ろうと手を掛けたときに、聞こえてきたんだ。友達と堂々と、自分と俺とは格が違うって」
目線はあたしへと向けられる。
『どう思う?』って聞かれてるようだった。
すぐにあたしの中の記憶と繋がる。
それ、知ってるよ......。
だって、あの場にあたしもいたんだもん。