トマトときゅうり


 車のドアがバタンと閉まる。

 私は呆然としてそのままで固まっていた。

 エンジン音が遠ざかっても、しばらくそのままで突っ立ってた。

 寒さは気にならなかった。ただ全身を赤くして、風にさらされていた。


 ・・・褒められた。


「・・・やだ」

 呟きが漏れる。

 気付いてくれてた、化粧がいつもと違うの。

「・・・・やだ、嬉しい・・・」

 急激にテンションがアップした。

 かかとでターンをして、部屋に上がっていく。今にも踊りだしそうな心境だった。



・・・褒められちゃった。やった、やった、やったああああああ!!!






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