トマトときゅうり


 包まっていた毛布はいつの間にかどこかへ行ってしまっていて、私はきゅうりの腕の中。

 キスを何回もして、きゅうりは笑う。

 唇に、頬に、瞼に耳に、彼は柔らかい唇を這わせてはハスキーな声を私に優しく浴びせる。

 私の小さな部屋の中、今夜は聖なるクリスマスナイト。

 ああ、神様。

 私は、今、こんな大変なことになってます。

 何が何だか判らないけど、どうしても視界がユラユラと揺れるんです。

 ちゃんと見たいのに、きゅうりの顔を。

 私を見る、あの人の笑顔を――――――――――

 


 これからの予感に震えて、私はただ赤く染まる。

 絡め取られた指や手のひらに感じる温度、それは何て素敵な温かさだろうか。

 私は今、恋の海に飛び込んで・・・・。






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