好きなのに伝えられない人。
「紫貴とかが探してましたよ」
「…そうか……なら行かなきゃな…」
そう言って先生は掛けていた眼鏡を外し、伸びをした。
「…でも…もうちょっとここでお話…しましょうよ」
あたしはそう言ってハハッっと笑う。
それを聞いた田山先生はなぜかあたしのほうをずっと見つめていた。
……勘違いされちゃったかな?
あたしが今言った言葉は全然深い意味とか無くて。
ただ純粋にお話したいなぁって思っただけなんだけど…。
「…あ、先生あたs「清蘭」
田山先生とあたしの声が重なる。
先生が珍しく真面目な顔をするから、あたしも小さく ハイ…と返事をすると。
「…お前の事……」
え、これってもしかして…。
まさかのまさかの告白だったり……?!
それだったらあたし、返事どうしよう…?
「……礼月が好きだって……」
ちょ、え?
「えぇえぇえぇぇぇえぇえぇぇぇえぇーーーーー?!」
あたしは全校生徒に聞こえるくらいの声で叫んだ。
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