あやまち
麻希の、少し煽るような言い方が気になったけれど、あたしにとっては心強い言葉だった。



でも、翔太の表情が明らかに不機嫌なものに変わって……



いつもなら、ここであたしが折れる。



だけど……




「なんでそんなに不機嫌になってんの?毎日一緒にいられるんだから、一日くらいいいでしょ?いくら彼氏でも、悠亜から友達まで奪う権利はないでしょ?」




麻希からの助け船に、今回だけは折れたくないという強い気持ちが生まれてくる。



それと同時に、この状況から少しでも抜け出せるかもしれないという希望が出てきて……



涙が出そうになってきた。



今この状況で説得しないと、これから先こういう願いを叶えることができないかもしれないという思いも生まれて……



なかなかYESとは言わない翔太に、どきどきしながらも、もう一度お願いしてみる。

< 105 / 220 >

この作品をシェア

pagetop