あやまち
「……麻希と、出掛けたい」




その言葉に、翔太は何か言いたげに口を開こうとしたけれど、麻希からの




「うん!悠亜、一緒にショッピングに行こう!」




という元気な声に、掻き消されてしまった。






結局、翔太は渋々頷いたけれど……



麻希が帰ってからが、少し変だった。



あたしが『麻希と出掛けたい』と言った時点で、その夜はいつものように無理矢理抱かれると思っていた。



その覚悟はしていた。



でも実際は、もぬけの殻になってしまったかのように、翔太はなにもしゃべらず、崩れるようにソファーに横になってしまった。



声をかけても、「ん」と返事をするだけ。



だから、「もう寝るね」と言ったときも「ん」と応えるだけで……



少し心配ではあったけれど、そのまま布団に入って、眠りに就いた。

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