あやまち
あの時のことを思い出していたら、胸がズキズキと痛み始めた。


そんなあたしには気付かずに、麻希はさらにあたしの胸を痛くするような言葉を紡ぎ出していく。



「でもね、あるとき偶然知ってしまったんだ」


「何を?」



麻希は、あたしの瞳を真っ直ぐに見ながら……



「渉が、悠亜を好きだってこと」


「えっ」



正直、かなり吃驚した。


あの旅行のときに、麻希が渉の想いを知っていると、知ったけれど……


それは、渉と付き合い始めてから知ったんだと思っていたから。



「あたし、……最低だった。渉と悠亜が付き合うのを見たくなくて……、翔太の話に、乗っちゃったんだ」



そう言った麻希は、顔を伏せて泣き出してしまった。

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