あやまち
麻希のアパートに来たい……


あの場所から逃げ出したい……


翔太から、解放されたいっ……


でも……


首を横に振る。



「どうして?」


「だって……」



そんなことをしたら、何をされるかわからない。


今の状況でも辛いのに、もっと束縛されるようになったら……


そんなの、耐えられないっ。



「悠亜、翔太が怖い?」



眉を下げながら話す麻希の瞳を見ながら、コクンと頷く。


そんなあたしを見て、麻希は少し考えたあと……



「じゃあさ……、渉に頼もうか?」


「えっ」


「渉なら、きっとどうにかしてくれる。……あんなに、悠亜のことを想ってるんだもん」



渉に……


そうできたら、きっと凄く心強い。


でも……



「いい」


「えっ」


「頼まなくても、いい」

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