あやまち
すぐに滑り込んできた舌が口の中をかき回し、ビール特有の苦味が広がっていく。




「……しょ…た……」




キスに夢中になっていたあたしは、いつの間にか翔太の首に腕を回し、もっともっとと求めていた。




「悠亜……やべぇって」


「な……にがっ?」




激しいキスに息が上がってしまい、うまく声が繋がらない。



そんなあたしを、向かい合うように自分の足に跨がらせた翔太は、両手であたしの両頬を挟む。




「悠亜……すっげー好き」




低く甘い声にトクンと胸が高鳴る。




「あたしも、好きだよ」




翔太は“ふっ”と笑って、人差し指であたしの前髪を掻き分けてから、額にキスをした。


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