あやまち
“起きてた?”


「うん」



電話越しの翔太は、いつものようにやさしく声をかけてきた。


そして……



“俺と麻希からの、誕生日プレゼントはもう届いた?”



顔は見えないけれど、その声音から、笑みを浮かべながら話している翔太が想像できた。


でも……



「誕生日プレゼント?」


“そろそろ届く頃だと思うんだけど”



翔太はそう言うけれど、誕生日プレゼントなんて……



「届いてないよ」


“おかしいな。さっき着いたってメールきたんだけど”



メール?


宅配してくれる人と知り合いなの?



“ほんとは、目の前にいるんだろ?”


「目の前……?」



ゆっくりと視線をあげると、あたしの視界に入ってくるのは、……渉だけ。


……って、もしかして……



「それって……」

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