あやまち
そこまで言った渉は、天を仰ぎながら大きく息を吐いてから、また口を開いた。



「でも……、翔太を煽ったのは自分だったってことを思い出したんだ」


「煽った?」


「ん」



渉はそう言って、あたしに視線を合わせながら苦笑した。



「俺が、悠亜を抱いたことを暴露したから」



渉はそのまま視線をそらしたけれど……


そういえば、翔太が豹変したのは渉の暴露の直後からだった。


あのあとコテージの部屋に戻って、無理矢理抱かれたんだ。


あのときの翔太はあたしなんか見ていなかった。


あたしが渉に抱かれてしまったという事実に、ただただ怒り狂っていた。


もし、渉が暴露しなければこんなに拗れることもなかったんだ。


そう思ったら、口が勝手に動いていた。



「何で、暴露したの?」



視線をそらしている渉の横顔に問いかけてみると、その首がゆっくりと回って、お互いの視線がぶつかった。

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