あやまち
「まあ、いいや」



でも渉は、たいして気にしていないのか、気にしないフリをしているのか、ただ一言そう言って、目の前のお茶を一気に飲み干した。


そして、視線をあたしに向けながら、また口を開いた。



「何で暴露したか、だったっけ?」


「えっ」



突然発された言葉の意味がわからず、渉の瞳を見ながら首を傾げると



「さっき、悠亜が聞いたんだろ?」



さっき……


あ、そういえば、玄関で話していたこと……


渉が、暴露したことで翔太を煽ってしまったと言ったから、あたしがそう聞いたんだ。


あたしの表情から、玄関での会話を思い出したってことを読み取ったのか、渉はその事について話し始めた。

< 188 / 220 >

この作品をシェア

pagetop