あやまち

「昨日、その束縛のことを麻希から聞いて……」



頭の中で色々考えていたら、渉がまた口を開いた。



「昨日？サークルで？」


「ん、……んで、さっき言ったように頭にカッと血が昇って翔太んとこに押し掛けようとしたら、……タイミングがいいのか悪いのか、ちょうど翔太から連絡が来たんだ。……んで、あの嘘のことを謝ってきた。まあ、だからといって許せるわけねーけどさ」



そりゃそうだ。


『女と遊び歩いている』なんて、ありもしない嘘をつかれたんだから。



「なあ悠亜」



静かに発されたその声に顔を上げると、そこには真剣な眼差しを向けている渉がいて。



「もし、あの嘘がなかったら……俺達、どうなってたと思う？」



あの嘘……


渉がいろんな女と遊び歩いているという、嘘。



「……」



どうなっていたんだろう。