あやまち
あたしの言った言葉をわかってくれたのか、黙り込んだ渉。


でもその表情はどこか悲しげで。



「まだ、翔太のことが好きなわけ？」


「……わかんない」



好き？と聞かれれば好きなような気がするし、好きじゃない？と聞かれれば好きじゃないような気がする。


やっぱりあたしの気持ちは、まだ曖昧なままなんだ。



「俺は、絶対に後悔なんてさせない。今はまだ俺に気持ちがないのなら、必ず好きにさせてみせる。俺には、その自信がある」



その力強く芯のある言葉に、あたしの心臓はドクンッと大きな音をたてた。


目の前にある渉の瞳はほんとに真っ直ぐで……


じっと見つめていると、その瞳に吸い込まれそうになってしまう。


それにいつの間にかあたしの心臓はどきどきと走り始めていて……


どうしよう……


あたし、渉のその強い想いに揺れそうになってる。

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