あやまち
「でも……しょうがないじゃん?遊びに行ってるならまだしも、部活だし」


「関係なくない?遊びだろうが、部活だろうが……、一週間も離れるなんて、あたしには絶対に無理!」




正直、麻希はこんな風に言うタイプじゃないと思っていた。



どちらかというと、束縛なしでお互いに自由に過ごしたい…ってタイプだと思っていたんだ。



まあ、束縛してるわけじゃないんだろうけど。




「でも、翔太はサッカーが大好きだから……あたしには、それを止める権利はないし。それに、サッカーしてるときの翔太は、生き生きしてるから、凄く好きなんだ」




何度か、翔太のサッカーの試合を、観に行ったことがある。



ドリブルしながら、グラウンド内を颯爽と走り抜ける姿……


シュートを放つ姿……


ゴールを決めたあとの、太陽のように明るい笑顔……



すべての翔太が、凄くかっこよくて……



見るたびに、あたしの心臓を壊してしまうんじゃないかと思うくらいに、どきどきが加速するんだ。


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