あやまち
「ふふ、ほんとに好きなんだね」




目の前に座る麻希は、微笑みながらそう言うけれど……



さっきより酔いが回ってきたのか、ローテーブルに両肘を立て、絡めた指の上に顎をのせているにも関わらず……



頭は左右にゆらゆらと揺れていて、焦点が合っていないような気がする。




「いいなぁ……悠亜は……」


「麻希?」




ゆっくりと頭(コウベ)を垂れていく麻希の顔を覗き込むと、うっすらと瞳が潤んでいることに気づいた。




「どうしたの?」


「……悠亜が……、羨ましい……」




アルコールのせいか、力ない声が、麻希の口から出てきたけれど……



だんだん声のトーンが、落ちていき……



そのままローテーブルに、頬をつけて眠ってしまった。


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