あやまち
「……関係ねーだろ」




不機嫌そうに、一言そう言ったあと、何もしゃべらなくなってしまった。




なにか、気分を害するようなこと、言っちゃったかな……?



時折見せる、沈黙の渉が出たと思えば、何も気にすることはないんだけれど……



なぜか、理由があるような気がして、ならなかった。



だって、この間会ったときの麻希の様子もおかしかったんだから。



渉と何かあった……と言っているも同然の態度だった。



でも……、麻希がなにも話したがらなかったように、渉も口を閉ざしてしまった。




「喧嘩でも、したの?」




『関係ねーだろ』と言われたばかりだけれど、麻希も渉も、あたしにとっては大切な親友。



そんな二人の様子が明らかにおかしいんだから、お節介だと言われても、なんとかしたいと思ってしまったんだ。


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