あやまち
うつらうつらとしている中で、翔太から放たれるシトラスの香りに包まれていることに、気付く。
そういえば、今日帰ってくるんだっけ。
この香りは……、凄く安心するんだ。
うしろからぎゅっと抱き締められているからか、背中が温かい。
夏の暑さもあるから、ほんとなら『暑い!』と突っぱねるんだけれど、このシトラスの香りが、それをさせない。
それほど、あたしは翔太の温もりを求めているんだと、気付く。
抱き締めている手がゆっくりと動き、いつの間にか素肌に触れて、ゆっくりと上下するように撫でる。
「……しょ…た……」
耳に触れた唇がゆっくりと下がって、首筋に触れた時……、トクンッと心臓がなった。