あやまち
あの日……強引に、あたしに触れてきた渉の記憶が、鮮明によみがえってくる。




力強い腕……


熱い唇……


硬い胸……


真っ直ぐな眼差し……


でも、凄くやさしい、瞳……



胸の奥で、ズキンッと痛みが走る。



渉が麻希に触れないのは……、あたしのせい?




走った痛みが、持続的にズキズキと心臓を刺激してきた。




「ねぇ悠亜……あたし、賭けてみたいの」


「賭ける?」


「ん……だから、泊まりの計画、ちゃんと立てたい」




泊まりの、計画……



泊まり……

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