あやまち
今夜、翔太とあたしが使う予定の部屋に入り、翔太はベッドに腰掛けた。



あたしも引き寄せられるように、その隣に座る。



いつものように、肩に腕が回されて、ふわりとシトラスの香りが鼻を掠めたとき、翔太がゆっくりと口を開いた。




「何かあったのか?……渉と」


「えっ!?」




さっきの場面で、まず可笑しいと思うとしたら、麻希とあたしが泣いていたことだと思っていた。



まさか、最初から渉の名前が出てくるなんて思いもしなかったから、少し動揺してしまった。



そんなあたしの様子に、すぐに気付いた翔太は、あたしの心臓を止めてしまうような言葉を漏らした。




「渉に、……コクられた?」


「……!」




ビックリしすぎたときには声が出ないって、ほんとなんだ。
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