あやまち
「翔太?どこ行くの?」




てっきり、外へ連れ出されるものだと思っていたのに、今あたしたちが足を踏み入れたのは……



コテージ内の階段。



これを上がると……




「部屋に行こう」


「えっ」




そう、この先には、寝泊まりするための部屋しかない。




「どうして?」


「……少し、話そうか」




いつになく、真剣な眼差しを向けられ、いつもより低い声で言われて……



心臓がドクンと大きく音を立てた。



あの場面を見ただけじゃ、何があったかなんてわかるはずもないのに、もしかしたら渉とのことがバレてしまったんじゃないかと、あたしの心は不安でいっぱいになる。



ゆっくりと階段を上っていく翔太の背中を見ながら、あたしもゆっくりと足を進めていった。
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