あやまち
視線の先にいる翔太と渉の間にも、麻希とあたしの間に流れる空気と同じものを感じる。



仲の良い二人の姿しか見たことがないから、凄く不自然な感じがする。



どうしてこんなことになったんだろう。



いつもは笑い声が絶えないのに、今は会話すらない。



こんな空気、耐えられない。





普段よりはかなり気まずい感じだったけれど、なんとかバーベキューを終えた。



でも結局、花火どころじゃなくて……



あたしは翔太と部屋に戻った。



翔太は浴びるようにビールを飲んでいたけれど、もともと強くはないから、すぐに潰れてしまった。



ベッドに横たわる翔太の寝顔を見ていたら、涙がポロポロと溢れてきた。



この部屋に入ってから、翔太は一言も言葉を発しなかった。



ただ、ビールを飲んでいただけ。



あたし、翔太に嫌われちゃったのかな。
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