あやまち
「だから、俺のアパートへ来いって言ったんだよ」




静かに放たれているけれど、言葉の節々に怒りがこもっていて……



怖い……



こんなの、翔太じゃないよっ!




いつの間にか、あたしの上で馬乗りになっていた翔太は、顔の横で、痛いくらいに両手首をベッドに押さえつけてきた。




「しょ、たっ、……痛いよっ」




目の前にある翔太の瞳は、真っ直ぐに見つめてきているけれど、きっとあたしのことは、……見えていない。



この鋭くて、怒りのこもった瞳は……



あたしを通り越して、渉を見ているんだ。



そんな気がする。



だけど、さっき渉が言ったことも気になっていて……




「なんで、嘘ついたの?」


「は?」


「渉が遊んでたって……」




あたしがそう言った瞬間、翔太の瞳がさらに鋭くなり……




「……んッ……しょ、たっ……」




押し付けるようなキスをしてきた。

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