あやまち
「…んッ……やッ…」




今までに、こんな乱暴なキスは、されたことがないからか……



目の前にいる翔太が、別人に見えてしまう。




「…い、やッ!」




ありったけの力で、翔太を押し返そうとするけれど、全くかなうわけがなくて……



今の翔太は周りが見えていないんじゃないかってくらいに、荒々しくあたしの唇を貪っていた。



そのうち、翔太の手があたしの身体を這い始めた。




「しょ、……たっ!」




今度は暴れるように抵抗してみる。



翔太と付き合い始めて、こんなふうに拒んだことはない。



でも、今の周りが見えていない翔太に抱かれるのは、……絶対に嫌だった。




「何で、抵抗すんの?」


「え…」


「渉の方が良いわけ?」


「は?」




言ってる意味がわからなかった。

< 89 / 220 >

この作品をシェア

pagetop