妄想店長~大人と子供~

 視界を埋めるのは青地に黒のロックテイスト満載なロゴの布。

 どこかで見たようなソレは私には名前も分からないブランド。

 こんな物、私の部屋にありましたっけ?

 明らかに私の趣味ではない布だけど、温もりの発生源はソレに包まれている。

 まぁいいか。

 不思議な存在ですけど、私は眠い。

 心地良い事だし。

 温もりを堪能するようにソレに額を押し付け、心地良さと眠気に私の口から自然に吐息が漏れた。

 温かい塊に頬を寄せると規則正しいゆっくりとした音。

 静かで力強いその音が子守歌の様で、安堵感を覚えた私は益々意識が遠退いていく。
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