その瞳で見つめて~恋心~【完】
「まさか、ビンタされるとは思わなかったよ……」
夕焼け空の下、進藤君とともに校門に向かって歩く。
進藤君は未だに赤くなった頬を撫でている。
もう放課後で帰ろうというときに、進藤君は昼休みにビンタされたあとの赤みが取れなかった。
「ご、ごめんなさい……」
だって、進藤君が変なこと言うから……。
そんなに力を入れてしまったかと思うと、ホントに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「ちなみに何カップ?」
「もっ……、もういいです!」
また、胸の話?
自分の胸に手を当てて、服をぎゅっと握った。
もしかしたら、ホントはあたしの体にしか興味がなかったりするのかもしれない。
「進藤君はあたしの体にしか興味がないの?」
不安に思って、進藤君を一瞥する。
「ん? 水嶋さんの体には興味あるけど、好きなのは水嶋さん本人だけだよ?」
「う……。なんか、はぐらかされた気がする」
「そう? でも、事実だしね」
進藤君はそう言って、微笑んでみせた。
その笑顔、反則だよ……。
なんでも許せちゃうよ。
本音を聞き出せなくて、悔しいと思った。
「ほらほら。水嶋さん、帰ろ?」
「う、うん」
「あ、進藤。俺もいいか?」
「は?」
門を抜けた瞬間、霧島君の声が隣から聞こえてきた。
門柱に目を向けると霧島君は柱に寄りかかっていて、まるであたしたちを待ち伏せていたよう。