空の果て
3562年、恐らく春
もう泣かないって決めた。前を見て歩こう、私はそう思ったからここに立っているのだ。

なのに、あいつは私の行く手を、尽く邪魔してくれた。

「お前、なんでここにいるんだよ」

冷たい声、視線。私をあざ笑うかのように上から見下してくる。

負けたくない、そう思っても体が条件反射を起こしてしまう。
私は思わず目を背けた。

「ちゃんと、こっちを見ろ」
そう言われ、思いっきりほっぺがつねられた。

「い……痛いっ」
思わず涙が出る。

負けたくないって思ったのに、もう負けそうだ。

「だ……だって、私も役に立ちたいと思ったの」
「は?お前が役に立つわけないだろ?」

悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい。

私はぎゅっと歯を食い縛る。

泣いても無駄だ。
そんなのわかってる。

だけど、涙が止まらない。

< 2 / 21 >

この作品をシェア

pagetop