禁断ノ遊ビ

side×雛



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椿くんが来てくれた。けれど、喉が潰れた様に声を出すのが困難だった。

手放せない意識。私は椿くんの黒い着物を掴み、縋るだけで精一杯。足が動かないのだ。痛くて堪らない。痺れる。


「椿は心配性だね。お医者様が言ってたよ。人は簡単に死ぬけど簡単には死なないって」


お医者様という言葉を聞いて、腕を折られた日に手当してくれたお医者様を思い出す。

義務のように施される手当。冷めた目、いや、死んだ目。


「多分、階段から落ちたから右足折れたんじゃないかな。曲がっちゃってたし」


嬉々として告げられる言葉に戦慄しか覚えない。何もかもが他人事だ。


「早く、早く医者を連れてこい……!早く!」


椿くんは今まで聞いたこともないような声で、柊様を怒鳴りつけた。


「放っておいてももうすぐ来るよ」


対する柊様は焦る様子もなく、声を上げた。どんな表情をしているのか見る余裕も顔を上げる力もない。




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