うそつき
あまりにもおっきい喪失感は、逆に満足感をもたらしてくれるんかなぁ。変に満たされた気持ちで、ほんのちょっと考えただけやのに、すぐに落ち着けた。
あ、そうや。名前決めるとかなんとか言ってたなぁ。本名がバレへんようなあからさまに源氏名みたいなんがいいんかなぁ。こんな経験ないからわからへんもん。
なんもぱっと思いつかんくて、リビングのおっきいソファに半分寝転ぶみたいな体勢でいたら、ソファの前にあるガラスのテーブルのところに、なんかあるのがわかった。パラパラってめくってみたら、なんか暗号みたいなんがいっぱい書いてある紙がびっしり挟まってた。その最後のページに見たことある顔があった。
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