うそつき
「どうやった?」

「えとえと…、これって二宮さんが作ったんですか?」

「恥ずかしいけどな。こないだのんとかも一応俺が作ってん。どおりで単調やったって感じ?」

「いえ!そんな事ないです。どれも、私大好きです。特に今日の曲は、その…うまく言えないんですけど、格別何か感じるものがありました。ひとつの童話を読んでるみたいな、音楽が見えたって気がしました。」

「見えた?」

「はい。あのなんていうか、目を閉じてたら情景が浮かんでくるんです。お花畑とかお菓子の家とか。それで、全部ひっくるめてひとつの物語になってるみたいで。」

「へぇ。智子ちゃん、めっちゃ繊細やねんなぁ。よしっ、ちょっと手伝ってもらわれへん?」
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