私立聖ブルージョークス女学院2
私立聖ブルージョークス女学院の運動会は5月に行われる。その年の運動会は5月17日の木曜日だった。中途半端な日取りだなと環は思った。綾瀬先生に訊くとすぐに教えてくれた。
「ああ、今年は『主の昇天日』がその日だからよ」
「はい?ショウテンビ……ですか?」
「前に、うちの学校行事は可能な限りキリスト教の歳時に合わせているって言ったでしょ?イースターから数えて40日目の木曜日が主の昇天日、イースターから50日目の日曜日がペンテコステ。こっちはキリストの弟子たちが精霊を授かったとされる日で、キリスト教の教会という物が創建された日として祝われるの。うちの学校の運動会は原則としてそのどちらかの日に行うというしきたりなのよ。今年はイースターが4月の初めだったから、昇天日になったわけ」
「はあ、いろいろ難しいんですねえ。あ、とにかく何となく分かりました。ありがとうございました」
それから環は片山と一緒に会議場へ向かった。クラス委員全員を集めて運動会で行う競技を考える集会があるのだ。環は片山と二人でその取りまとめを担当する事になっていた。
久しぶりに片山と肩が触れ合わんばかりの近距離で並んで歩いて、環は密かに心臓がドキドキしていた。片山はそれを集会の前なので緊張しているのだと思って笑って環に声をかけた。
「そんなに難しい仕事じゃないから。大丈夫だよ」
「ああ、今年は『主の昇天日』がその日だからよ」
「はい?ショウテンビ……ですか?」
「前に、うちの学校行事は可能な限りキリスト教の歳時に合わせているって言ったでしょ?イースターから数えて40日目の木曜日が主の昇天日、イースターから50日目の日曜日がペンテコステ。こっちはキリストの弟子たちが精霊を授かったとされる日で、キリスト教の教会という物が創建された日として祝われるの。うちの学校の運動会は原則としてそのどちらかの日に行うというしきたりなのよ。今年はイースターが4月の初めだったから、昇天日になったわけ」
「はあ、いろいろ難しいんですねえ。あ、とにかく何となく分かりました。ありがとうございました」
それから環は片山と一緒に会議場へ向かった。クラス委員全員を集めて運動会で行う競技を考える集会があるのだ。環は片山と二人でその取りまとめを担当する事になっていた。
久しぶりに片山と肩が触れ合わんばかりの近距離で並んで歩いて、環は密かに心臓がドキドキしていた。片山はそれを集会の前なので緊張しているのだと思って笑って環に声をかけた。
「そんなに難しい仕事じゃないから。大丈夫だよ」