キミという名のサンタさん
ふと外に目をやると、木々が風で揺れていた。
寒そうだな……。
時刻は夕方の5時。
最近は、日の入りが早いからもうだいぶ暗い。
「そろそろ帰ろうかな」
「俺も帰る」
私が呟くと、祐希も私に続いて口を開いた。
もう、私が蹴ったすねの痛みはひいたのだろうか。
「え、何で祐希も?」
「家近いし一緒に帰る」
「やだ」
「前は手繋いで一緒に帰ったじゃん」
「だから、何年前の話よ」
祐希と手を繋いだのなんて、きっと幼稚園のときくらい。