大切なもの
キ―ンコーンカーンコーン

「ほら。チャイムなったよ」
「じゃぁまたな、沙和」
そう言って、席に向かった。

「颯太くん、前まであんなこと言わなかったのにね」
「ホント。ああいうの、不意打ちっていうのかな?」
「どうだろう(笑)」
「前まで、あの真っ赤な顔…向けられたことなかったのに」
「沙和…」
「…もう、分んないや…」

チラリ、樹のほうへ視線を向けると、
机に突っ伏しているのか、見えなかった。


…疲れてるのかな。


颯太へ視線を移すと、こちらを見ていた。
目が合った瞬間、満面の笑みを見せてきた。


「っ、」

私も、微笑み返す。


ホント、分んない。

私の、したいこと。


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