龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
それって、うるさいって事?


圭吾さんは心配になったわたしを見て、

「可愛いって事だよ」

と、頭を撫でた。


「圭吾は本当に志鶴ちゃんがかわいいのね」

伯母様にそう言われて、自分がだんだん圭吾さんに心を開いている事に気づいた。



最初は怖かった和子さんにも慣れた。


ただ、親父から行儀作法をしつけてくれと頼まれたらしく、言葉遣いから歩き方まで徹底的に直されている。


「伯母さんではなく、伯母様とお呼び下さい。それからお父様を『親父』と呼ぶのは以っての外です」


へいへい


「あまり厳しくするなよ」

見兼ねて圭吾さんが言う。


「圭吾様は志鶴様のことを少し甘やかし過ぎです」


少し? 少しなんてものじゃないでしょう

圭吾さんは、わたしから見ても大甘だ。


「三田様が大切にお育てになったのは分かりますし、家事一般はおできになるようですが、何せ男手ひとつですから。志鶴様には優雅さというものが欠けておられます」

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