24時間プロデュース【完】
「今、報道されてる事は本当なの?
病院から抜け出したって――」
架はそれには答えず、黙って俯いた。
その姿で返事を聞かなくても分かった。
本当の事なのだと。
「っ、何で!
何処が悪いって言うの!?
架、凄く元気じゃ――」
言い掛けて、気付いた。
気付いてしまった。
架は本当に今日一日元気だった?
昨夜、野宿する場所を見付ける為に歩いた時、たった少し歩いただけなのに“疲れた”って言って地面に座り込んでた。
将来父親に“ならない”じゃ無くて“なれない”と言った。
遊園地では激しい乗り物は殆ど“乗れない”って拒否したし、
そう言えば…!