24時間プロデュース【完】
だって仕方無いじゃない。
架が話したく無いのに、これ以上聞き出そうとしても無意味。
架と険悪なムードになりたく無いし
架の傷に触れる様な事はしたく無い。
きっと架にとってそれは人に話したく無い事なんだろうから。
…本当は凄く気になるけど。
「架、今は体調大丈夫?」
「あ、ああ」
「じゃあ行こっか」
あたしはにこっと笑って手を差し延べる。
いつまでもこんな路地裏に居たって仕方無い。
今も報道陣は架の事を探しているだろうし
ニュースが流れてしまっては道行く人達も架にとっては敵同然。
いつ見付かってしまっても可笑しく無い。
同じ場所に長居は無用だ。
けれど、架はあたしの手を取らなかった。
代わりに何かを決心したかの様に、数秒目を瞑った後再び口を開いた。