24時間プロデュース【完】
「架!?」
架の声をよく聞き取ろうと顔を覗き込む。
「い、ちる…」
「大丈夫だから!
救急車来るから、もう少しの辛抱だよ!
それに、」
暫くしたら落ち着くんでしょ?
大丈夫になるんでしょ?
だって昨日もそうだったじゃ無い。
暫くしたら、何事も無かった様に
けろっとしてたじゃない。
だからあたし全然気付かなかったんだから。
「大丈夫だよね?」
あたしは笑顔を作って、でも出来るだけ自然体で架に微笑んだ。
架はあたしの顔を見て、力無く微笑んだ。
微笑み返してくれた。
「いち、る」
「喋らない方が良いよ、苦しいんでしょ?」
けれど架はあたしの名前を呼ぶ事をやめたりしなかった。