24時間プロデュース【完】
病院に着いてから知った事なのだけれど
隣に座る彼、スーツの男の人は架のマネージャーだった。
だから厭に状況の飲み込みが早かったのだと納得する。
「では質問として幾つか聞くけど構わないかい?」
――キた。
問われ無い筈が無いと思っていた。
有名人の架に見知らぬ女。
しかも倒れる寸前まで一緒に居たと知れば尚更。
「答えられる事にはお答えします」
ドクドクと嫌な音を立てる心臓を宥める様に抑えながら平生を保った。
「良い子だね。
それじゃあ、まず一つ。
架が病院を抜け出したのは君が原因?」
「それは、無いです」
知り合う以前の問題だし。
「…じゃあ次。
君は架の以前からの知り合い?」
「っ、」
その質問にはYESと答えたかった。