【完】 After Love~恋のおとしまえ~



私の作戦は、あっさりと効果を発揮したようだった。

二日後の夜、サトシから電話がかかってきたのだ。

「俺、どうしたらいいんだよ……」

絞り出すように発された、困惑したサトシの声に、私はすぐに事態を悟る。

サトシはももちゃんに、あのビニール袋の件で問い詰められたに違いない。

「どうしたらいいんだよ……」

サトシが再び呟いた。

「どうしたらいいかって、何が?」

何のことだか分からない、といったように、私はとぼけて聞き返す。

そんな私に向かって、サトシは泣きそうな声で叫んだ。

「俺、無理だよ! どっちかなんて選べないよ!」

「……」
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