【完】 After Love~恋のおとしまえ~


ノートには、「つないだ手から愛情が伝わる」だの、「抱きしめてくれたから不安がなくなった」だの、「たくさんキスしてくれて嬉しい」だの……そんなことも書いてあった。

このノートは、実は私と出会う前に誰かから渡されたもので、彼が浮気をしたわけではないのではないか……という期待は、残念ながら持ちようがなかった。

なぜなら、そのノートの字を、私は二度ほど見たことがあったからだ。

二度目は、封筒に書かれた「オダマキ」という字。

そして……

ようやく思いだした一度目は、かつて迷子のシェリーを保護した女性が、我が家に写真を送ってきた時の封筒に書いてあった住所の字だ。

少し角ばった特徴あるその字を、どうして今まで思いだせなかったのだろうと唇を噛む。


つまり、彼になれなれしく近づいたあの人は、そのまま、彼とそういう関係になった、ということなのだろう。

そして、彼のパートナーである私が、憎悪の対象となったのかもしれない。
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