白緑蝶"ever since【続】
開かれるドアから、雫に濡れた
ソラの赤く火照った腕が見えた

「ごめん、のぼせちゃった?」

タオルを差し出すと貴方の手は
いつかのようにタオルを持って
いる私の手を掴む。

「ソラ?」

ソラの腕の力に引き寄せられな
がら、私はそのまま進んで浴室
の中へと入る。

そして雨に濡れたみたいにずぶ
濡れの貴方の頭にそっとタオル
を被せてあげた。

白いタオルが、フードのように
貴方の左顔を隠す。

私を見つめる、右目。

私を誘う、その美しく
狂おしい瞳には、私だけが映る

「一人は、つまんねぇ

 ひわ、一緒にどう?」

私は黙ったままコクンと頷いた

パチン

消える、浴槽の灯。

愛している・・・

今も昔も変わない。

あなただけを・・・

貴方の体温が私へと流れ、微熱
となり私の体を支配する。
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