白緑蝶"ever since【続】
「でしょう・・・」

いい奥さん、その言葉に有頂天
の私。

透かさず口を挟むのは、ソラ。

「違う違う
 
 地下に入り浸りの俺が
 気に入らないだけだろう?」

ソラに何も言い返せない私の事
を察して、瀬名さんがテオさん
に頷いてみせてくれた。

「ああ、そうなの?」

「さあ、立ち話はこの辺で
 どうぞ上がってください」

「おじゃまします」

靴を脱ぎ、用意されたスリッパ
を履くお客様達。

ドタドタドタ・・・

その時、階段を勢いよく下りて
くる音が聞こえてきた。

「パパ、おかえりなさい」

「ただいま、ゆら
 こいつのこと頼める?」

「はあい」

ソラは犬をゆらに預け、ビール
の入った袋をとりあえず床に置
いて、お手洗いへと向う。
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