白緑蝶"ever since【続】
ゆらの手から、解放された犬は
瀬名さんの方へと走って行くと
彼の膝にちょこんと前足を乗せ
た。

「悪りぃ、抱いてやりたいが
 ちょっと待ってくれる?
 
 慣れるまで時間が・・・」

「えっ、まさか、セナさん
 
 犬、苦手なの?」

私の問いかけに、青ざめた顔の
瀬名さんは答える。

「バレた・・・」

手すりを持ってゆっくりと階段
を一段ずつ降りてきながら話す
咲の声が聞こえてくる。

「だから、シゲキさん
 
 昨夜、隠しても無駄だって
 私が言ったでしょう?」

「大丈夫だよ
 
 子犬は問題ないはず・・・」

「シゲキさんったら、幼い頃に
 大型犬に手を噛まれてから犬
 が苦手らしいの」

「そうだったの

 じゃあ
 今すぐカゴに・・・」
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