嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「……帰ります」
「ちょっと待てよ」
見知らぬ男は私の腕を掴んだまま離してくれない。力を込めてほどこうとしても出来ない
まだ身体が素直に言う事を聞いてくれない。小刻みに身体が震えてまともに相手を見れない
やだ…気持ち悪い…
…帰りたい
「あんた、可愛かった。ねぇ良かったらまた会ってよ」
「…嫌です……離して…」
「ふぅん。これでも嫌って言える?」
「…何これ」
見知らぬ男は私との情事を携帯で撮影したのか、一部始終見せられた
やだ…こんなの……嘘…
やだ……やだ…。