純愛♡ごっこ
 

─ あ‥



心臓がドクンと大きく鳴った。



─ 陸‥



浴衣姿の女の子と腕を組んで、楽しそうに笑う陸が視界に入った。



─ すきな子って、あの子かな?

  お似合いやん♪



そう思っているはずなのに‥。

あたしに気付かず通り過ぎる陸を目で追いながら、胸がキュッと締め付けられた。


「おい、一個持てや。」


「あ‥、ごめん。」


シンに差し出されたたこ焼きを受け取り、顔を上げた時には、陸の姿は人混みに紛れていた。


歩き出したあたしの胸で、スペードのネックレスが揺れた。


 
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