運命の、その場所で


そう言われるまで気付かなかった。


私は慌てて手で涙を拭いて彼に背を向けた。



「泣いてないよ?
ちょっと…ちょっと目が乾いただけ!」


「ふーん。」


「うん…ごめんね?変なこと聞いて…」


「別に…もう、終わったことだし。」




朝まではあんなに笑って、楽しかったのに…。

なんで…泣いてるんだろう?




「…ズ…。」



鼻をすすって、必死に感情を整える私。


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