運命の、その場所で
マフラーに手を当てて、ナチを見上げた。


「マフラー、ありがとうナチ。」




ナチは目をおっきく開いて、口もポカーンって開いてる。




「ハハ…顔、間抜けだよ?」

「あ…」


自分の間抜けな顔に気付いたのか、
目を泳がせて最終的に私の目をみてくれた



「ありがとう。俺も…暖かいわ~。」




それからお互い微笑みあった。


ただ名前を呼べただけなのに…


ただ名前を呼んだだけなのに


何故か心まで温かくなってる気がした。


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