寂しがりやの猫
朝。

目を覚ますと 田村は まだ眠っていた。

ちょっと伸び始めたヒゲを擦ってみる。 …んふふ… ジョリジョリしてる…

私は 無防備な田村が可愛くて そっとキスをした。


「ん… 奈都さん?何…」


「おはよ」


「おはようございます…」

私の顔を見るなり 田村は 恥ずかしそうに顔を逸らす。


「なに~?なんで照れてんの?」

私は 田村の頬を両手で包んでこちらに向ける。


「やめて下さい…」


田村は 私の手を外そうとして手を重ねた。

「奈都さん」

「なに?」


「俺 なんか信じられなくて」

「ん。私も」


そう言って田村の厚い胸に顔を埋めた。

「大好きだよ」
「俺もです…」

チュッとヒゲ面の頬にキスをして また顔を覗きこんで笑った。


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