寂しがりやの猫

二人で居酒屋で飲んだ後 ホテルのラウンジに行った。

昔は お金が無くてこんなところ到底入れなかったけれど、今は 割とすんなり入れる。
仲澤も スマートに注文していて男前振りが上がっていた。


「なぁ、奈都」

暫く飲んだ後、仲澤が私の手を握る。

「なあに？」

酔ってきて つい可愛く答えてしまった。恥ずかしい…

「今日は 帰さなくてもいい？俺 もっと奈都といたい」


「うふふ… どうしよう。けど 私もう凄いオバサンだし、仲澤くん ショック受けちゃうかもよ」

「ばか… 何言ってんだよ…」


仲澤は 恥ずかしそうに目を反らす。

ちょっと赤く染まった頬が可愛い。

その時。

ウィーン… ウィーン…と私の携帯が振動した。

「あ、ごめんね」

私は 慌てて席を立って 電話に出た。